タイヤの残り溝がどの程度になったら交換すべきか判断に迷っている方も多いと思います。残り溝が少なくなるとタイヤ本来の機能を果たせず、運転に大きな影響が出ます。
そこで本記事では、タイヤの交換時期の目安や寿命について解説しています。タイヤ交換で迷っている方はぜひ参考にして下さいね。
このような症状のタイヤは危険
「溝がないタイヤ」や「ひび割れ・亀裂があるタイヤ」を使用し続けた場合、以下のような重大な事故やトラブルの原因となります。
溝がないタイヤ
タイヤの溝の主な役割は、接地面と路面との間にある水の排出です。そのため、溝が浅くなると排水性が低下し濡れた路面を走行中タイヤと路面の間に水が入り込み、タイヤを浮かせた状態で滑ってしまうハイドロプレーニング現象を引き起こす原因となります。
摩耗タイヤの検証(JAFユーザーテスト)結果によると、タイヤの溝がない状態で濡れた路面を走行すると制動距離が大幅に伸びており、速度が上がるにつれハイドロプレーニング現象が起こりやすくなっています。
ひび割れ・亀裂があるタイヤ
走行中の衝撃でひび割れが悪化し、タイヤがバースト(破裂)する可能性があります。
タイヤの寿命とスリップサイン
溝が1.6mmになると寿命
タイヤの溝はいずれの部分においても1.6mm以上の深さを有することと道路運送車両法の保安基準で定めています。溝が1.6mm以下のタイヤを装着した場合「制御装置等の整備不良」となり反則金9000円と点数が2点累積(加算)され、車検を通すこともできません。
スリップサインがでたら即交換
スリップサインとは、タイヤの使用限度となる溝の深さ1.6mmを示しています。
一般的なタイヤには、スリップサインが6ヶ所あります。まずは、タイヤの側面にある三角形(△)のマークを探し、△のマークから底面への延長線上にスリップサインが現れます。スリップサインはタイヤの全周に複数設置されているので、全て確認が必要です。
経年劣化による寿命
タイヤは使用していなくても時間の経過とともに亀裂やひび割れが起こります。その経過は5段階に分かれていおり、クラック(ひび割れ)がタイヤ内部のカーカス(骨格部分)に達していない限りは継続的な使用が可能です。
上の写真のレベル1~2は継続的な使用が可能な段階、3~4も継続使用は可能ですがここまでひびが入っている場合は日常点検で観察が必要となります。レベル5に達するとパンクの危険性が高く走行中にバースト(破裂)する恐れがあるのですぐ交換しましょう。
タイヤ交換時期の確認方法
タイヤの交換時期となるおおよその目安は、「タイヤの製造年・タイヤの摩耗度・走行距離」の3つから判断できます。いずれかの目安が近づいたら交換を検討しましょう。
タイヤの製造年を確認する
タイヤの製造年は、サイドウォール部と呼ばれる側面部分に表示されています。
タイヤの製造年は4桁の数字で表されており、下2桁が年を上2桁が週を示しています。たとえば「3320」と刻印されていた場合、そのタイヤは2020年の33週(8月10日~8月16日)に製造されたことを意味しています。
タイヤの残り溝をチェック
10円玉でおおよその目安がわかります。10側をタイヤの溝に差し込み10の数字が全て見えていると4.0mm以下となります。残り溝を正確に測りたい場合は、タイヤの溝専用の測定器「デプスゲージ」がおすすめ。
溝は4.0mmから著しく性能が低下するため交換を検討しましょう
JATMAの資料によると、溝が4.0mmになるとタイヤの性能が低下し、制動距離(ブレーキをかけてから完全に停止するまでの距離)が伸びるとされています。
走行距離から交換時期を把握する
新品タイヤの溝は、ブランドやサイズにより異なりますが約8.0mmで、 一般的に5,000km走行で1.0mmほど摩耗すると言われています。そのため、走行距離が20,000kmになると残りの溝はおおよそ4.0mmとなります。
インパネと呼ばれる運転席前面のパネルに測定計器が備え付けられており、走行距離はODO(オド)メーター、区間走行距離はTRIP(トリップ)メーターに表示されているので確認しておきましょう。
走行時の感覚から判断する
ブレーキの効きが悪くなった、制動距離(ブレーキをかけてから完全に止まるまでの距離)が伸びた、雨の日の運転で滑りやすくなった、ロードノイズが大きくなった等の症状を感じるようになった時は、タイヤ交換の時期かもしれません。タイヤの点検を行って状態を総合的に判断する必要があります。
まとめ
タイヤは車の性能を引き出すと同時に安全性を高める機能を持つ重要なパーツです。溝が少ない状態で使用すると重大な事故やトラブルを起こす原因となります。事故を未然に防ぐためにも適切な時期に交換しましょう。
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