冬の滑りやすい路面を安全かつ快適に走行するためにも欠かせないスタッドレスタイヤですが、種類が豊富でどのタイヤを選んだら良いのか悩んでいる方も多いと思います。
実際に選ぶタイヤにより、氷雪性能はもちろん耐久性や燃費性能、乾いた路面での性能などに大きな違いがあるため、慎重にタイヤ選びをすることが大切です。
そこで今回は、スタッドレスタイヤの選び方とおすすめの商品7選をご紹介しています。この記事を参考に、最適なタイヤを見つけて楽しいカーライフを送りましょう。
スタッドレスタイヤとは?
スタッドレスタイヤとは、雪上や氷上など滑りやすい路面でも安全な走行ができるよう、普通(ノーマル)タイヤと比べ駆動力や制動力をより大きく路面に伝える工夫がされた冬の時期でも安心なタイヤのことです。

以前は、タイヤに鋲のついたスパイクタイヤが主流でした。しかし、 道路への影響や路面を削りながら走ることによる粉塵などから日本では使用されなくなり現在では、鋲がないスタッドレスタイヤが主流となっています。
ノーマルタイヤとの違い

スタッドレスタイヤは滑りやすい路面でもしっかりと路面を捉えることができるため、ノーマルタイヤと比較し3つの特徴があります。
(1)深い溝
メーカーや商品により異なりますが、新品のノーマルタイヤやオールシーズンタイヤは溝が8㎜程度であることが多く、最近では7㎜のタイヤも販売されています。それに対し、スタッドレスタイヤは雪や氷の上でもスリップしないよう、溝の深さが10㎜程度あることも多く溝が深い傾向にあります。
(2)溝の切れ目
溝の浅く細かい切れ目(サイプ)は、凍った路面を引っ掻いて氷の上の水膜を取り除く効果があり、スタッドレスタイヤには多くのサイプがついています。
(3)柔らかい素材
気温が低い場合でも高いグリップ力を保つため、しなやかさを失わないよう柔らかい素材のゴム(コンパウンド)を使用しいます。
タイヤの価格相場
各メーカーの最新モデルを基に、タイヤサイズ別に1本あたりの価格相場を紹介しています。タイヤサイズが大きくなるほど、価格が高くなる傾向にあります。
タイヤサイズ | タイヤ価格(1本) |
13インチ以下 | 3,800〜7,000円 |
14〜15インチ | 6,000〜16,000円 |
16〜17インチ | 10,000〜27,000円 |
18〜19インチ | 17,000〜40,000円 |
20インチ以上 | 26,000〜50,000円 |
タイヤの寿命をチェック
寿命の目安は『製造から3〜4年、走行距離10,000km〜15,000km』と言われており、どのタイヤメーカーもスタッドレスタイヤの性能を保証する期間は、3年に定めているのがほとんどです。

スタッドレスタイヤには柔軟性の高いゴムが使用されているため、摩耗スピードが早くノーマルタイヤよりも寿命が短くなります。
スタッドレスタイヤの装着期間は一般的に11月〜4月の6ヶ月間になるので、1ヵ月間で1,000km走行した場合3年で15,000kmに到達する計算になります。
スタッドレスタイヤの選び方
スタッドレスタイヤを選ぶ際は、愛車に適合するタイヤサイズがあることが大前提になります。また、環境や用途に合わせることも大切です。もちろん、価格とのバランスを考えることもポイントです。
氷上性能 | 氷上性能とはアイスバーンなどの凍結 路面上で、滑らずに走行できる性能 |
雪上性能 | 雪上性能は降雪路やシャーベット状 の道路でも安全に走行できる性能 |
ライフ性能 | 摩耗に対する強さで、すり減りを 抑えてタイヤを長持ちさせる性能 |
ドライ& ウェット性能 | ドライ性能は乾いた路面、ウェッ ト性能は濡れた路面での走行性能 |
低燃費性能 | 転がり抵抗を低減して、少ない燃 料で長く走ることができる性能 |
環境や用途に合わせて選ぶ
ひと冬の間に1〜2回程度雪道を走る程度の方は重視すべきは普段のドライ性能、ウエット性能、静粛性、燃費性能になります。もちろん氷雪性能も大切ですが、氷雪性能に特化したものよりトータルバランスに優れたものを選びましょう。
「豪雪地や寒冷地に住んでいる」なら氷上性能を重視する
溶けた雪や路上を流れる水が凍結した「アイスバーン」。冬場に出くわす道の中でも特に滑りやすく、スタッドレスタイヤの性能差も出やすい状況です。そのため、アイスバーンが発生しやすい地域に住んでいる人や寒冷地や豪雪地に住んでいる人はもちろん、より安心感を得たい人には、氷上性能が高いタイヤがおすすめです。
「都市部から雪山によく出かける」ならバランスを重視する
スキー場など雪山に出かける時などたまに雪道を通るといった用途が主なら、乾燥した路面を走ることがほとんどなので雪上・氷上性能に加えドライ性能やウエット性能にも適するバランスに優れたタイヤがおすすめです。
「念のため降雪に備えておきたい」ならコスパを重視する
雪道を走る機会が少なく、万一の降雪に備えている方も多いと思います。そのような場合は、タイヤ価格を抑えて低燃費で長く使えることに特化したコスパの高いタイヤがおすすめです。

スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤよりもゴムそのものが柔らかく接地面が広くなるように設計されているため、転がり抵抗が大きくなって燃費が悪くなりがちです。
車種に合わせて選ぶ
スタッドレスタイヤおすすめ7選
【BRIDGESTONE】BLIZZAK VRX3

BLIZZAK VRX3の特徴は、ブレーキ性能と耐摩耗性を両立している点です。発泡ゴム形状の見直しとタイヤパターンの改善により、従来品と比べ氷上路面でのブレーキ性能は20%、タイヤ寿命が17%と大幅アップを達成。
北海道・北東北の主要5都市での装着率が20年連続No.1を誇るほか、北海道札幌市でタクシードライバーの装着率69.5%を実現するなど、確実に氷を捉えてアイスバーンでのここぞという安心感のある走りだけでなく、雪道でも楽しく走れるタイヤとなっています。
価格は1本1〜3万円前後と比較的高価ですが、降雪地帯での走行が多く氷上・雪上性能を重視している方におすすめ。
タイヤタイプ | 氷上性能重視 |
推奨車種 | 軽自動車・コンパクト セダン・スポーツ・ミニバン |
タイヤサイズ | 12〜20インチ 全111サイズ |
【GOODYEAR】ICE NAVI8

発売から20年の歴史がある同シリーズの最新モデルICE NAVI 8の特徴は、シリーズ初となる左右非対称パターンを採用し雪上や氷上の性能を向上。さらに、耐摩耗性を3%アップし転がり抵抗を抑えてエコタイヤへと進化。
また、ウェット路面でのパフォーマンスや静粛性も重視しているため、雨の日のグリップ力が高く耐ハイドロプレーニング性能にも優れているので普段使いにも最適なタイヤ。
スタッドレスタイヤとしての基本性能に加えウェット路面でのパフォーマンスも高く、幅広いシチュエーションで使う方におすすめ。
タイヤタイプ | コスパ重視 |
推奨車種 | 軽自動車・コンパクト セダン・ワゴン・ミニバン |
タイヤサイズ | 13〜19インチ 全69サイズ |
【DUNLOP】WINTER MAXX 03

WINTER MAXX 03の特徴は、”瞬間密着”と銘打った氷に超速で効く『ダンロップ史上最高の氷上性能』です。路面に残っている水膜を「ナノ凹凸ゴム」により素早く除去して、タイヤと路面の触れる面を最大化し強い密着力を引き出します。これにより、ブレーキペダルを踏んでから停車するまでの制動距離が短くより安全性を高めることができます。
ロングライフ性能にも拘り摩耗しても新たな凹凸が生まれる新構造により、時間が経っても氷上性能が低下しにくいのが魅力。
経年劣化に強く性能が低下しにくいので、沢山走っても優れた氷上性能が持続するタイヤを求めている方におすすめ。
タイヤタイプ | バランス重視 |
推奨車種 | 軽自動車・コンパクト セダン・ハッチバック ワゴン・ミニバン・SUV |
タイヤサイズ | 13〜21インチ 全116サイズ |
【MICHELIN】X-ICE SNOW

日本で最初にスタッドレスタイヤを発売したフランスの大手タイヤメーカーミシュラン。X-ICE SNOWの特徴は、アイス・スノー、ウエット・ドライ、そして静粛性と快適性の全ての性能が高性能でトータルバランスが高いことです。冬路面での性能は従来比でアイス性能は9%、スノー性能は4%の向上に成功。
深く彫られたサイプにより高い持続力を発揮できるので、ゴムが減っても確実にアイス路面を捉えて安心感が長続きします。
高いトータル性能と優れた性能持続力を発揮できる、バランスの良いタイヤを求めている方におすすめ。
タイヤタイプ | バランス重視 |
推奨車種 | 軽自動車・ハッチバック スポーツ・セダン・ワゴン ミニバン・ハイブリッド SUV・クロスオーバー |
タイヤサイズ | 15〜21インチ 全66サイズ |
【YOKOHAMA】iceGUARD 7

iceGUARD 7の特徴は、吸水性に優れた新素材のゴム「ウルトラ吸水ゴム」を採用し、相反する氷上性能と雪上性能のベストバランスを追求。両方の性能に更なる磨きをかけ『ヨコハマスタッドレス史上最高の氷上性能』を誇るタイヤへと進化しています。
これにより、従来品と比べて氷上制動を14%、氷上加速性能を15%、氷上旋回を7%(ラップタイム)と雪上制動を3%、雪上発進を3%の向上に成功し、冬道でも抜群の氷上・雪上性能を発揮することができます。
氷と雪に強いタイヤとなっており、冬道でも『しっかり走れて止まれる』高い安全性を求めている方におすすめです。
タイヤタイプ | 氷上性能重視 |
推奨車種 | 軽自動車・コンパクト セダン・クーペ・スポーツ ミニバン・SUV |
タイヤサイズ | 13〜21インチ 全114サイズ |
【TOYO TIRES】OBSERVE GIZ2

「変わらない安心感、路面環境に対応した新世代スタッドレス」をコンセプトに掲げ、優れたアイスやスノー性能に加えてウェット制動性能を従来品比で約18%も短縮したトータルバランスの高さが魅力。
「持続性密着ゲル」を配合した新コンパウンド「吸着クルミゴム」の採用により、ゴムの柔らかさを維持して経年劣化による性能の低下を防ぎ、高いアイス性能がより持続する。
スタッドレスタイヤに求められるトータルバランスと経年劣化に強く長持ちするタイヤを求めている方におすすめです。
タイヤタイプ | コスパ重視 |
推奨車種 | 軽自動車・コンパクト セダン・ハッチバック ワゴン・ミニバン・SUV |
タイヤサイズ | 13〜18インチ 全47サイズ |
【CONTINENTAL】Viking Contact7

シリーズ初となる左右対称パターンと新開発のコンパウンドにより、スタッドレスタイヤに求められる積雪路面や凍結路面で確かなトラクションとブレーキ性能の強化しただけでなく、ドライ路面も含め冬場に遭遇するさまざまな走行環境下で安全で快適なドライブを可能にする、オールマイティー性を強化。
特に、左右対称パターンは回転方向を固定することでウェット及びシャーベット路面での排水性を大幅に高め、より安全なドライブを可能にします。
氷上性能に加えドライやウェット路面でも安全性が高く冬道以外も走る機会が多い方におすすめ。
タイヤタイプ | バランス重視 |
推奨車種 | セダン・ミニバン・SUV |
タイヤサイズ | 15〜20インチ 全19サイズ |
Amazon・楽天市場のスタッドレスタイヤ売れ筋ランキング
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※上記ランキングは、各通販サイトにより集計期間・方法が異なる場合がございます。
注意点
新品使用時は慣らし走行が必要
新品の場合、スタッドレスタイヤ本来の性能を発揮するためには慣らし走行が必要。「60km/h以下の速度で200km以上の距離を走る」のが目安です。実際の雪道を走る前に、乾燥した舗装路で慣らし走行を終えておきましょう。
まとめ
スタッドレスタイヤを選ぶときには、住んでいる地域や普段走る路面の状況により適した性能のタイヤを選ぶことが大事です。
今回この記事ではおおすめのスタッドタイヤ7選も紹介しましたので、雪道を安全に走行できるタイヤを見つけて事故のないカーライフを送りましょう。
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